『転職ばっかりうまくなる』(ひらいめぐみ/百万年書房)

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あんなに嫌な思いをたくさんして、ようやく自分が馴染めると思える会社に出会えたのに、わたしは、なんでどこでも、こんなふうになっちゃうんだろう。結局自分の居場所なんて、どこの会社に入ってもなかったのかもしれない。無性につらく悲しくて、銀座のビルとビルの小さな隙間に隠れて、さめざめと泣いた。

(『転職ばっかりうまくなる』(ひらいめぐみ/百万年書房))

  『転職ばっかりうまくなる』(ひらいめぐみ/百万年書房)は、気になりつつも、怖くて、ずっと手を出せていなかった本だ。読みながら、自分と著者が重なってしまって、何度も本を閉じて息を吐いた。

 私自身、25歳の時に大学院を卒業して、5年間ですでに3社目。それなのに今また転職を目論んでいる身だ。

どんな仕事に就くかよりも、自分がみじめにならないこと、自分自身を極められることを選ぶのが、なによりも大切なのではないかと思う。 (『転職ばっかりうまくなる』(ひらいめぐみ/百万年書房))

 転職には膨大なエネルギーが必要だ。だから、できれば身を固めたい。それなのに、ご縁に恵まれない。「どうしてこんなに職場運がないんですか?」と人から聞かれるが、その答えは私が一番知りたい。自分自身にも原因があるのではないかと思って、探ってはいるのだが、今だにわかっていない。少しでも心当たりがある人がいたら、教えてほしい。切実に。

 これ以上、みじめな思いはしたくないな……と願いながら、私は今日も転職サイトを開く。私が「自分自身を極められること」って、一体何なのだろうか。